インセプションを成功させろ!映画史に残るSF超大作【おすすめ映画】インセプション(2010)【All Time Best】
久しぶりに今回は自身のAll Time Bestを紹介。
言わずと知れた鬼才クリストファー・ノーラン監督の名映画、インセプションです!
この映画は観る前に(初見の場合は)どれほど骨格の理解が出来ているか、そして(2回目からは)何処に注目するかで楽しみ方が大きく変わってきます。
決して難しい話ではないのですが、準備が出来てないと置いていかれるのは確か。
なので
この記事ではその「準備」の手助けも含めてこの映画をレビューしていきたいと思います。
INCEPTION(原題)
148分,アメリカ
レオナルド・ディカプリオ/渡辺謙/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/マリオン・コティヤール/エレン・ペイジ/トム・ハーディ 他
あらすじ
ドリーム・マシンを介して他者との夢(潜在意識とも)の共有が可能となった世界。
夢の中ではホストもゲストも自由に世界を創造することができるのだが、ホストの世界である以上、根本的なものは全てホストのイメージ。ゲストはホストの夢の中では異物であり、排他的に扱われる。
この世界で他人の夢からアイデアを盗み取る産業スパイのスペシャリストが主人公のドム・コブ(レオ)。しかし彼はとある出来事がきっかけで国際指名手配されており、国に帰れず、愛する娘たちの元へ帰れずにいた。
そんな彼の元へ強力な権力を持つ大企業のトップ、斎藤(渡辺謙)が仕事の依頼を申し出る。依頼内容は彼のライバル会社の解体。そしてそれを現社長の息子であるロバート(キリアン・マーフィー)自らが実行するように仕向けること。
愛する娘たちの元へ帰る為、彼はおそらく最後になるだろう、仕事を引き受けるのだった。
補足①―「インセプション」とは
「インセプション」―他人の潜在意識にアイデアを植えつけるというこの行為がこの映画の終着点。(厳密に言えばコブの帰国だけど)
夢は多層構造になっており、つまり、夢の中で夢を見ればより深い潜在意識の層に辿りつく。インセプションに必要なのは2段階深く層に潜ること。つまり第3階層まで潜らなければならない。
異物のままではインセプションが成功しない為、2階層目でホストの信頼を勝ち取り、対象者にアイデアを植え付ける最終的な行動を取らなければならない。そしてコブ自身、実は遠い遠い昔、愛する妻へインセプションを成功させていたのだった。
彼女を傷つけたくないという思いから起こしたこの行動への報いがこの映画のいわばラスボスです。愛する人とあまりにも深く夢に潜り過ぎたコブ。その代償はあまりにも大きいものだった。
補足②―時間の経過速度
クリストファー・ノーラン監督らしい構想です。
夢に深く潜ると「夢の中では心の動きが早い」という理由から時間の進み方が遅くなっていく。現実世界の10時間は夢の第1階層で1週間。第2階層で6ヶ月。第3階層で10年となる。
...もうわかりますよね( ´_ゝ`)あまりにも切ない描写が心を痛めつける。
補足③―目覚め方
目覚め方は単純で
①キック(落下感or強い衝撃)
②夢の中で死ぬこと
③ドリーム・マシンの設定時間終了
となっている。しかし深い階層で夢を見ている場合、夢の中で死んでしまうと「虚無」と呼ばれる場所に逝ってしまい、現実世界に戻れる確率はほぼなくなってしまう。
穏便にことを済ませたかったコブたちだったが標的のロバートは産業スパイに備えて潜在意識を武装していた。一度死ねば二度と起きることはないこの極限の状態でミッションが繰り広げられることになる。
*******
夢の共有、そして産業スパイが常識的な世の中になってるものだからこの部分の説明があまりない。でもここまで理解していればあとは大丈夫!(笑)
ここからはサクッと見所を紹介します!
圧巻の潜在意識の世界
この映画の一番の魅力は何といっても監督の着想した世界観を見事に表現した映像美。
こちらは映画の代名詞とも呼べるシーンですね(笑)
エレン・ペイジ演じる好奇心旺盛な学生、アリアドネがつくった物理法則を無視した夢の世界。
どうやら彼女は鏡合わせが好きらしい(笑)
パラドックスの象徴ともいえるペンローズの階段。廃墟になったゲーム会社内に実際にセットを組んで撮影したそう。
LAの中心街を走る貨物列車。暴走特急なんてもんじゃない!
監督は
夢をアナーキーで無秩序なものにせず
コブの潜在意識がいかに危険かを描く必要がある
なんて言ってるけど、これも実際に走らせてるんだから唖然とする。こんな映画他にない!
回転するホテルの廊下。ジョセフ演じるレヴィットがここで攻撃的潜在意識とアクションを繰り広げるわけだけど、実はこれも実物のセットで行われてるのです。
大きな筒状の完璧な円柱の骨組みに廊下のセットを作って回してます。半端ない。
007を意識したという雪山のアクションシーン。このシーンに出てくる悪党の基地も実物のセットです。雪崩も故意的に起こしたそうで、文句のつけようなく度迫力な映像が楽しめる。
よく「音が凄い映画」とか「度迫力な映画」とか、そんなおすすめを探す人がいるけど自分はこの「インセプション」を推します。最初の波の音からもう迫力満点です。
非日常を現実に再現したような映画。クリストファー・ノーラン監督の拘りを是非肌で感じてください。それ以前に監督の着想がもう逸脱してるんですけどね(笑)
「インセプション」に挑むスペシャリストたち
この映画、キャストの豪華さが半端じゃない。
何とも個性的なこの面々が協力し合う姿には胸が熱くなる。仕事を終えたあとの達成感と虚無感が入り混じったみんなの顔www大好きなシーンです。
イームス(トム・ハーディ)とアリアドネ(エレン・ペイジ)が特に好きでした( ˘ω˘ )
キャスト以外にも撮影監督のウォーリー・フィスターや音楽のハンス・ジマーを筆頭に専門家が集結して映画の魅力が底上げされてます。
www.youtube.com ハンス・ジマーの胸を打つ音楽が好き過ぎる。
詳しくはメイキングで!
監督は
完成した映画を見ると 想定していなかったものがたくさんあった
多くの人の才能が 詰め込まれた作品だからだ
とメイキングで語っています。そんな才能と努力の結集をくつろいで観れるなんて...なんて贅沢なんだ!映画はまさに最高の娯楽だ。
触れられるようで触れられない。鮮明なようで不明確。
儚く消えてしまう脳が造り出す意識の世界。
もし・・・
もしその世界に永遠に居続けられるとしたら、あなたはどうしますか?